[保存版]教育移住で人気のシンガポールにある学校を4種類に分けメリットデメリットを考える
教育移住先として人気の高いシンガポールですが、昨今では外国人が教育を目的として
長期滞在する事が段々と難しくなって来ていると聞きます。
私は2008年〜2013年迄、約5年ほどシンガポールに住んでいました。
その間、日系塾で働いていたのですが、
1、日本人学校、
2、インターナショナルスクール
3、ローカルスクール
4、ローカルインターナショナルスクール
シンガポールにある学校をこの4カテゴリーに大きく分けたとして
それぞれに通学する子供とその親御さん
と出会える貴重な機会があり、色々な事を考える機会になりました。
日本人のみならず、私が滞在してた頃は
台湾、中国本土、韓国から、シンガポールで教育を受けさせる為に
母子移住で滞在されているご家族が非常に沢山おられました。
今はかなり状況は変わりつつも
現在の状況をご存知の方に聞き込みしながら、
教育先進国のシンガポールにある学校の特徴を
この4カテゴリーに分けて
それぞれの特徴とメリットデメリット、そのカテゴリーに合う子供の特徴をお伝えしたいと思います。
Contents
シンガポールに教育移住するメリット
先ずは、どうして教育移住先として人気が高いのか?考えられる理由を挙げてみました。
- 多国籍、他民族、多文化、であること
- 教育も社会システムもグローバル環境である事
- 学校の選択肢が多い
- 日本語の通じるクリニックが多くあり、日本人のドクターも多い
- 安全、治安がよく外国人が過ごしやすい
- 英語、中国語の取得が見込める
シンガポールに教育移住するデメリット
- 住居費、物価が高い
- 日本人が多く安心な反面、海外移住してまで日本社会の中で過ごしてしまう
- 学校の特色をよく知らないと、教育移住失敗になりかねない
- 英語の発音が独特である
シンガポールの教育、学校の種類と特色
メリットデメリットを見て思うのは、
「学校の選択肢は多いけど特色をよく知らないと教育移住失敗になりかねない。」
というのが気になるのでは?
と思いますが、
日本人が通学を検討するシンガポールの学校4種類と特色を簡単な表にしてみました。
1、日本人学校 | 2、インターナショナルスクール | 3、ローカルスクール | 4、ローカルインターナショナルスクール | |
メリット | ・大きく環境が変わる訳ではないので安心 ・日本人学校でも英語が細かくレベル分けされている ・イマージョン教育が採用されている ・日本語をベースとしたバイリンガルを期待できる | ・様々なカリキュラムの学校の中から我が子に合う教育を選択できる ・非常に多国籍な環境の中に身を置ける ・英語で学べる ・IBの強い学校が多い ・各国の優秀な先生が集まっている | ・世界最高水準の教育(と言われている) ・中国語の取得も可能 ・理数に強くなる ・学費が安い | ・世界最高水準の教育(と言われている) ・中国語の取得も可能 ・理数に強くなる ・学費がローカルほど安くないが、インターより大幅に安い ・ローカル色とインター色が混じる名門校揃い |
デメリット | ・外国人のお友達ができにくい ・英語の伸びが期待できない ・折角の移住なのに恵まれた教育環境の恩恵が少ない | ・学費が高額 ・休みが多い ・日本語との両立が大変 | ・勉強第一の特殊な環境 ・ローカル独特な文化への対応力が必要 ・学習量が多く学生の心の負担 ・親の熱狂的なサポートが必要 | ・インターといえども、ベースはローカルスクールなので独特な風習への対応力は必要 ・インターといえども、アジア各国が中心となる ・名門校へのハードル |
代表的な学校 | シンガポール日本人学校 | UWC SINGAPORE AMERICAN SCHOOL TANGLIN TRUST SCHOOL | MOE SINGAPORE | ANGLO CHINESE INTERNATIONAL SCHOOL ST. JOSEPH’S INSTITUTION INTERNATIONAL |
シンガポール日本人学校の評判、通学するご家庭の特徴
私が滞在していた頃は
シンガポール日本人学校は「世界一の日本人学校」と在住日本人ママの間では言われてました。
おそらく、今でもそのように語り継がれていると思います。
そう言われる理由は
・帰国子女として日本の有名、名門と言われる中学校や高校に合格する学生が多い
・施設も大きく、英語の授業が少人数で細かくレベル分けされている
・イマージョン授業やグローバルクラスなどもある
この様な事が理由に挙げられると思うのですが、
事実、
2〜5年位滞在の駐在員のご家庭が多いので、
帰国枠受験などで日本の有名校に合格されて凱旋帰国されるお子さんが多いと思います。
それをご希望のご家族なら日本人学校という選択は良い選択だと思います。
が、その反面
マンモス学校でありながら「心理面で非常に狭い日本人社会」だと
塾で出会う日本人家庭と接してヒシヒシと感じていました。
これは恐らくシンガポールだけではなく、各国にある日本人学校の特色でもあると思いますが
塾に来られる親御さんの会話の傾向は
何年生で英検〜級、漢検〜級、低学年で公文中学校レベル、学校の英語クラスのレベル、
塾の評判、塾の成績別、帰国枠受験。。。など
こぞって「子供をブランドに育てる」が目標のご家庭が多く、自然と子供もその類の物差しで
子供同士のコミニケーションがなされていたのです。
勿論、
日本人社会や日本人コミニティーの一面であって、全てがそうだと申している訳ではありません。
非常に心温まる話も沢山ありましたし、私も日本人社会の一員で恩恵も沢山受けているのです。
が、
物事は何でもそうですが紙一重だと、日本に住んでいる時以上に
そして他にも 香港、バンコク、中国と暮らしましたが
シンガポールのその傾向は著しいと正直に申し上げます。
ですので、
シンガポールに移住してきた理由にもよりますが駐在員のご家庭でない限り、
わざわざ教育移住しに来て迄日本人学校に行く必要はなく
「我が家は周囲に流されず自分のペース、自分軸である!」
と思われる方以外はお勧めしません。
では、
インターなら心理的狭い日本社会から解放されて伸び伸びできるよね?
高い学費を払うんだし、理想の教育環境が得れる筈よね?と期待しますよね。
次に
インターナショナルスクールについて主観中心に、
でも概ね当たってると思う事を書きます。
シンガポールにあるインターナショナルスクールの選び方と通学するご家庭の特徴
シンガポールのインターナショナルスクールに通学させる日本人ご家庭の特徴
シンガポールには、小さな国土の中に無数のインターナショナルスクールがあって
外国人が住みやすい国のランキングにあがるだけあって本当に多種多様な外国人が多いのです。
が、
インターナショナルスクールに生息する外国人は基本富裕層であって、
一般的日本人家庭とは色々な面での違いを感じます。
それでも
日本人のご家庭でインターナショナルスクールに通学させているご家庭は山ほど、星の数ほどいて
その理由や費用の捻出どころは様々です。
無難に言えば
高額な学費を支払ってでも、
多様性多文化の環境を肌で子供に体感する事、英語で学ぶ事に価値を感じているご家庭
である事は間違いないです。
が、
それはそれは様々で・・・
例えば
・日本人学校の社会をそのままインターに持ち込んで、我が子のブランド化の為のインターナショナルスクール
はたまた
・そんなつもりはなかったけど、子供がインターの環境に馴染みすぎてもう日本人学校に戻れない
はたまた
・純粋に子供のグローバル教育を徹底しているご家庭
はたまた
・色々な意味でぶっ飛んだご家庭
etc…..
色々いらっしゃって凄く面白い世界ですし
周囲を気にせず自分軸のご家庭が多いので、というか、そうでないとあの多様性の中で
親も子もやってはいけませんし、
そんな多様で自由な中にも独特なヒエラルキーが存在するので
そういう事が気になるご家庭はしんどいかもしれません。
シンガポールにあるインターナショナルスクールの選び方
では数多あるインターの中から、我が子に合うインターを選別する方法ですが
① カリキュラムの違いを知って選別する
② 学費の違いを知って選別する
③ 年齢と滞在期間から選別する
この様な視点から選別されて行くのをお勧めします。
異国で外国語で不安な気持ちもありますが
〜ちゃん〜君が居るから・・・と言うような判断基準があると
インターでは後悔する事になりかねないと思います。
インターナショナルスクールの3大カリキュラム
・ IB 国際バカロレア
・アメリカンカリキュラム
・ブリティッシュカリキュラム
と分ける事ができますが、
その他にも
オーストラリアカリキュラム、カナディアンスクール、インド系etc・・・
という選択肢もあり、
情報を駆使し、見学し、我が子の特徴と学費、立地などを考慮しながら皆さん検討されます。
上記の表にあるインターナショナルスクールは
この3大カリキュラムの代表的な学校でシンガポールの中でも有名なインターとなり、
同時に
一般日本人家庭にはとてもハードルが高い学校です。
アメリカンスクールとタングリントラストはインターと言えど、
米、英国のナショナルスクールです。
唯一
UWC が一般日本人でも入学の余地があるスクールですが、
ウェイティングの間に英語力学力共にレベルアップを図りながら転入するお子さんが多く
私の個人的イメージでは「優秀な学生を更に引き上げる為の学校」という位置付けで
憧れの学校ではありますが、この学校に転入すればという考えは危険で
シンガポールには
門戸の広い、色々な特徴をもったインターが沢山あり転校も容易です。
なので
薔薇色の教育、学校は存在しないと考え、
視野を広く持って子供に合った学校選びをすれば良いと思います。
シンガポールローカルスクールの教育と、それにマッチする子供の特徴
1、シンガポールのローカルスクールとは
ローカルスクールは表のメリットにもあるように、
優秀な人材を宝と考えるシンガポールは高水準な教育を無料同然の金額で提供しています。
当然、そこに暮らすシンガポーリアンの為の学校 です。
なので
そこに由来のない見ず知らずの外国人が入学できるのか?といえば、
色々な関門があるものの、私が滞在していた頃は可能ではありました。
ですが
今は非常に狭き門で、必然的に定員割れする様な学校にしか入学できないと聞いています。
当時ローカルスクールに見学に行く機会があったのですが、
我が家はシンガポールに来るまではカナダ系の学校に通学していたので、
英語で学習するとはいえ
その教育方針がまるで逆であった為に娘には合わないと考えました。
ローカルスクールとインターとはどの様に違うのか?
・学校の成績優秀者に対する特別待遇、
・母親の子供の成績に関する度を超えた熱狂ぶり、
・能力結果主義、
・常に競争、
・小学校高学年の共通テストで人生が決まると言っても過言でない
ついて行ける子供は非常に優秀に育ちますが、
一時的に結果は出ても長期的にみてどうだろう?と、正直疑問に感じましたし、
何より私がサポートする自信が全くありませんでした。
国の方針で
『両親ともにシンガポール人の場合、その子供は欧米出資インターに通学させる事が出来ない』
という決まりがあったので、
シンガポーリアンの場合、嫌でも現地校もしくは私立のローカルインターという選択肢になり
なるべく周囲の結果主義に流されない努力をされているシンガポールママもいると聞きます。
シンガポールのローカルスクールが合う子供の特徴
以上の様に書くと
シンガポールのローカルスクールに対して
ネガティブなイメージを持ってしまうかもしれませんが、
そんな事はなく、合う子供は非常に伸びるので
以下の特徴があるお子様の場合は受験してみる価値は非常に大きいと思います。
シンガポールローカルスクールがマッチする子供
・理数が好きな子供
・学習が好きな子供
・高いレベルの中国語の学びにストレスがない子供
・アウェイの立場でも自分を主張できる子供
・永住も考える長期スパンで滞在予定の子供
この様な特徴が揃えば、シンガポールのローカルスクールは素晴らしい教育環境ですし、
教師陣の熱量が違うので伸びる子は本当に伸びるのです。
いいとこ取り!?ローカルインターナショナルスクールの特徴と
学生の特徴
ローカルスクールといえば基本的に公立なのですが、中には
私立として上記の表にあるローカルインターナショナルスクールと言う存在があり
唯一、シンガポーリアンが通学できるインターナショナルスクールになります。
ローカルカリキュラムとインターカリキュラムを上手くミックスしており
欧米のインターより学費がかなり安いのが魅力ですが、入学時点の求められる学力が高く
特に上記の表にある
ACS に関しては、
寮完備の世界トップのIBスコア高得点輩出スクールとして有名で
それを狙ったアジアの富裕層が通学する、留学する学校
と言う位置付けになります。
なので、
カリキュラム的には良いところ取りの感じがしますが、
世界トップなので、普通のローカルスクールより更に厳しいのが現状です。
ただ
日本人家庭で唯一入学のハードルが少し下がる学校が
SJI となりますが(学生寮はないので留学はできません)
私が滞在していた頃より超人気スクールとなり、現在は長いウェイティングがある様です。
当時、ここの通学する日本人家庭は少なかったのですが、
私がその時耳にする話は非常に満足度の高い話ばかりでした。
長期スパンで費用を出来るだけ抑えて、コスパ良く高水準の学力を願う為の移住なら
お勧めできる学校ではないか?と思います。
まとめ:シンガポールの学校の特徴を知って、学校選びで注意する事
特徴、メリットデメリット、その学校に合うご家庭、子供の特徴を色々と書きましたが
結局のところ
純の日本人家庭が教育移住者としてシンガポールで教育を受ける場合、
高額でありながらも2つ目のカテゴリーで挙げた
「インターナショナルスクール」に収まるご家庭が多いと思います。
教育移住に限らず駐在家庭、
シンガポールに限らず他の国、
でもそうですが、その選択は本当に我が子に合うのだろうか?
と、
子供の本音と自分の本音と向き合う事
コストをかけてその移住、その学校で得る目的を明確にする事
その教育を受けた先の落とし所を考えておく事
が大事だと思います。
そして、
私はどこの学校を選んだとしても
子供の学業を支えるのは学校の勉強以外の何かに対する情熱
だと思ってます。
それが偶然学問の子もいるし、スポーツの子もいるし、ゲームの子もいるでしょう。
なので
親は常に「その選択がその子の情熱を燃やし続けられる環境なのか?」
を忘れないで欲しいなと思います。
移住や海外教育を受けるにあたり
その親子らしく成長する共育が叶う所を探って行くのは
時に楽しく、時に悲観もあり、
迷い考えながら生き方を見つめる作業でもありますね。