アメリカ帰国子女の後悔、日系企業に就職して感じた事、苦労して来た事
今回のインタビューはママさんではなくて、
若い帰国子女で我が家の娘より1つ年上のNちゃん。
Nちゃんとの出会いは、私とNちゃんのお母様に共通の知人がいて
その方のご紹介でお悩みを伺ったのがきっかけだったのですが、
その内容がグローバル子育てに興味のあるママさんに参考になるのでは?
と思い、お母様とご本人のご了解を得て
今回インタビュー記事にさせて頂きました。
※Nちゃんの経歴※
小学校4年の3学期からアメリカで約5年間過ごす。
↓
帰国枠受験で大学附属の高校に入学後
エスカレーターで大学入学
↓
日系企業に就職して2年経過
↓
今後のキャリアや生活の質に悩み出す。←今ここ
Contents
自称ウザくない帰国子女。
「自己主張が出来て積極的」は幻想に過ぎない。
Nちゃん、どうして私と一度話をしたいと思ったの? あみこ 私は現在日系企業に就職して2年が経過したのですが、 Nちゃん Nちゃんの年頃だと、友達や SNSから情報を集めて行動しそうだけど。 あみこ 私の友達は日本生まれ、日本育ち、日本の教育を受けて来た友人が多く Nちゃん よく今時の帰国子女っぽくないと言われますが、 Nちゃん 帰国子女と言っても様々なタイプがいて当然ですが あみこ
2年後ぐらい迄に海外転職がしたいと思っているのに自信がなくて・・・
ネットで検索して調べてはいるのですが、次の一歩が踏み出せない状況で、
なので実際に海外就職した人の経験やそれに近い経験者に
話を聞いてみたかったからです。
正直、おばさんでいいの?って思いましたが(笑)
この話題を相談できる人はいません。
ネットやSNSで同じような夢を持っている人や経験者はいますが
なかなか全く知らない人に自分からメッセージを入れる事が
出来ないタイプで。。。
自分でもその通りだと思います。
帰国子女あるあるも一部の人だけで私のような古典的タイプも実際は多いです。
なので母の知人の紹介で
あみこさんの娘さんが私と近い年齢で海外で働いていると聞き、
親子間の問題もあって一度、第三者の話を聞こうと言う事になりました。
世間では固定された自己主張の強い積極的なイメージが先走りしていて
イメージと違う人はそれはそれで苦労していると思います(笑)
ところで、
どうして海外転職したいの?
順風満帆に思える帰国子女の就活
私は自分には日系企業が合っているだろうと思っていたのですが Nちゃん 就活で外資系の企業にチャレンジしてみなかったの? あみこ 受けましたが惨敗でした。 Nちゃん さっき、自分には日系企業が合ってると言っていたけど、本当は外資企業に入りたかったのね? あみこ う〜ん、やはり憧れていたんでしょうね。 Nちゃん
やはり中に入ると将来の希望や夢が描きにくいなぁ〜と
気づき始めて。。。
そして
アメリカのオープンだけど厳しい世界も知っているので
外資系企業で働いてみたいけど自信もない。
でも、若いうちに海外転職にチャレンジしなくちゃ一生後悔しそうで。
外資と言っても色々あるし、一括りには出来ませんが
私が就活で感じたのは、人気で高給の外資企業から内定貰える人は海外大卒で
その中でも世界ランク100位以内の大卒が多い印象です。
そもそも別枠ですよね?
私と同じ日本の大学卒で人気の外資から内定を貰えた人もいますが
大学受験からの帰国子女で英語もハイレベル、尚且つ一味違う人達です(笑)
私は日本では高学歴の部類に入るとは思いますし、日本育ちの友人よりは
英語も話しますが
英検1級には届かない、そして文系で特に何ができる訳でもない。。。
ですが、やっていく自信がない(笑)
小規模な外資でも内定は貰えなかったのですから。
なので、本心ではないけど日系企業が自分に合ってると
思い込もうとしていた感じですかね?
順風満帆に思える帰国子女の高校生活に遡る
自己アピールできるものがないんです。
アメリカから帰国して希望の高校に合格して、
その時は英語が得意と思っていました。が、
とにかく日本の学校で自分の立ち位置を築くのに必死すぎて
どんどん英語力は落ちるけどそんな事もうどうでも良くって。。。
アメリカで英語で苦労したし、友達もなかなか出来なかった分、
高校や大学で楽したい、
力尽きた感もあって本当に何もしてこなかったんです。
Nちゃん
アメリカで苦労した分、日本でお友達と楽しく過ごすのも大切な事だと思うけど
大学受験しなくて良い分、時間を有効に使えばよかったというのは
Nちゃんのおっしゃる通りかもね。
あみこ
母は色々勧めて来ましたが、今から思えば
「どこまで頑張らなきゃならないの?」と言う気持ちからかな?
勧められる度にやる気が失せると言うか・・・
Nちゃん
分かってはいたのですが、行動となるとなかなか。。。
ぬるま湯が心地よかったんですよね。
だから、今度こそは一歩踏み出さないと思って
25歳にもなって今更母に相談したり揉めたり、おかしいですよね(笑)
Nちゃん
この後、
行動力やマインド、親子関係に関して私とNちゃんの間で続きがあるのですが
今回はその話ではなく、就職に関しての話題
日系企業では将来の夢や希望が描きにくい???
今の会社で「夢や希望を描けない」具体的な理由はなんですか?
あみこ
色々ありますが、
正直に言うと1番の理由はお給料です。あと自由度も。。。
一応英語を使う部署ではありますが、駐在員制度は少なくなってしまい
現地採用の日本人や現地採用の日中英もできる中国の人がいらして
凄く優秀なんですよね。
そして同じ会社なのにお給料が全然違う事を知ってビックリしました。
勿論、現地は物価高で高給じゃないと生活できないのは十分承知です。
そして
能力の差といえばそれまでですが、
キャリア、お給料、生活の質の向上を目指して
どんどん転職や引き抜かれたりするので強気ですよね。
ぬるま湯に浸かり続けると、本当に一生日本で後悔し続けると、
やっと分かったと言うか。。。
Nちゃん
そうね、
日系企業はコロナの影響もあって経費のかかる駐在員の数は減って
日本はお給料も上がらないよね。
一昔前は現地採用は条件が悪いイメージでしたが、
優秀な人は逆転して行る感じですよね。
あみこ
お給料の話で言えば
アメリカ時代の日本人の同級生で私は帰国枠受験の為に帰国しましたが、
その子は高校卒業までアメリカに居て、
その後アメリカの大学に進学し、
在学中にインターンしていた会社に現在残っているのですが
お給料は私の2倍以上です。
Nちゃん
日本の大学は学費は安いですが、ROI(Return On Investment)を考えると
その後の長い人生を考えたら、コスパ悪かったんだ。。。
って分かりました。
勿論、
高校大学と高額な私立に通学させてくれた両親に感謝していますが
その道で上手く行くんだろうって疑っていなかったし、
他の可能性なんて全く眼中にありませんでした。
Nちゃん
その話はお母さんからも聞きました。 あみこ そうですね。 Nちゃん 「中途半端な帰国子女」だと全然思わないし、 あみこ やっと、そう思える様になってきたというか。。。 Nちゃん
でも、
アメリカの大学に無理して行っても誰でもリターンが返ってくるとは
限らない訳だから
今からできる事は幾らでもある訳だし、
今、気が付いただけでもラッキーだと思うよ。
特に私の性格だとアメリカの大学を卒業できないかもしれませんね(笑)
上を見たらキリが無いし
とにかく今の会社で経験積んで、現地採用の同僚のマインドや行動力を見習って
「中途半端な帰国子女」を脱出したいと思います(笑)
外資企業や海外就職出来たら幸せでもないし、
違う自分に無理してなる必要もないと思うよ。
Nちゃんは自分の事を卑下しているけど、
性格ではなくて考え方の問題なだけだと思うよ。
日本しか知らない子からしたら Nちゃんの事を羨ましいと思っている子は
きっと山ほどいるし
「何を目指しているか?」によって違うだけ。
何も経験しなくてもやり過ごせた高校、大学時代もその時はそれで良かったという事で。
今の会社に入社したからこそ違う世界で生きる人たちを知れて
別の目指すものが見つかっただけという事ですね。
でも、この考え方に至るまで凄くしんどかったです。
帰国子女が昔の自分に伝えてあげたい事
Nちゃん、もし昔の自分に伝えたい事があれば何を伝えますか? あみこ アメリカで暮らした5年間で英語はある程度身につきましたが、 Nちゃん そう伝えたいのはどうしてですか? あみこ さっき、外資系に内定をもらえる人は一味違うと言いましたが、 Nちゃん 母も英語で苦労していたので、とにかく私をバイリンガルにと言う気持ちや Nちゃん
全くもってオープンマインドではなかったので楽しい思い出がなくて
「折角のアメリカ暮らしなのに勿体ないよ〜」って伝えたいです。
「もっと楽しい経験や考え方があるんじゃない?」って言ってあげたい。
勿論スキルの違いもあると思いますが、多くの経験値から得たユニークさ?
とかグローバル偏差値って言うんですかね(笑)
そこが違うんです。
なので、
折角のアメリカ生活で色々な経験ができた筈なのに
日本の高校受験に合格する事しかしてなかった自分に伝えたいのです。
帰国後を心配してくれていたのだと思います。
勿論、母のお陰でバイリンガルになれて感謝はしていますが
アメリカに5年も暮らした経験があっても
私は「グローバル」とはかけ離れた人物だと思います。
外資系惨敗だったのは、直ぐに見抜かれたんだと思います。
でもこれからはあみこさんの言う様に
幾らでも自分で自分の人生作っていけると信じて
本当の意味で私なりにグローバル社会で人生を楽しめる様に
不安もあるけど頑張りたいと思います。
海外で子育てする日本人家庭にお勧めの本
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